いま、日本でじわじわと問題になっている「空き家」。
ライフスタイルの変化で、日本の空き家率は上昇し続けています。
みなさんの中にも空き家を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな空き家の維持費って大体いくらくらい必要なのか、ご存知でしょうか。
特に住む予定はないけれど、なんとなく気持ちの整理がつかなかったり、面倒だったりして今後の状態を保留にしているような状態でも、空き家の維持には
実は思っているよりも維持費がかかってしまうのです。
まず一番は「固定資産税・都市計画税」です。
固定資産税は、現在所有している土地や家屋に課せられる税金。
標準税率は1.4%となっていますが、財政困難な市町村の場合は標準税率よりも引き上げられることもあります。
一般的な家の土地は小規模住宅用地(家屋が建っていることが条件)に分類され、特例があり固定資産税が1/6に減税されます。
空き家をなるべく更地にしないほうがいいと言われる理由はここにあるのです。
更地にしてしまえばいいのに…と思うような家屋でも残されているのはこれが原因なんですね。
しかし、空き家を放置し続け、周辺住民に迷惑をかけている空き家いわゆる「特定空き家」とみなされてしまうと、減税の特例が無くなり、従来の固定資産税の6倍の税金を支払うことになってしまいます。
固定資産税は、ざっくりとですが地方の一戸建て住宅で年間10~15万円ほど、東京都内だと場所によってばらつきはありますが平均して20~30万円ほどでしょうか。
その他に水道や電気などのインフラ代がかかります。
電気もない、水道もない、ないないずくしの完全放置の空き家だと話しは別ですが、たまに様子を見に行って掃除だけはする、というような空き家の場合、水道や電気などのインフラは必要となってきます。
頻繁に使うわけではないですが、基本料金などもありますので年間2~3万円でしょう。
庭がない場合は別ですが、庭が立派であればあるほど庭木の手入れが必要になります。
年に一度くらいは手入れをしないと、景観を損なうばかりか通行人や近所の方に怪我をさせてしまう可能性まで出てきてしまいます。
こちらが平均して3~5万円。丁寧な手入れが必要な気がある場合はさらにかかります。
最後に火災保険などの保険費用。
実は放火のターゲットになりやすい空き家。
日本の火災の原因第1位は「放火」なので、空き家は特に注意が必要です。
建物を資産として考えていて、将来的に建物込みの売却を視野に入れているのであれば火災保険への加入はマストになります。
その他にも空き家の管理サービスを利用するのであればその利用料が月1万円ほど、分譲マンションであれば例え住んでいなくても管理費・修繕費が月2~3万円ほど、一戸建てであれば屋根や外壁の補修が10年に1度ほど必要になります。
これらを平均すると、年間30~50万円ほどかかる空き家の維持費。
10年と考えると単純計算で300万円~500万円もかかってしまうことになります。
ひとつひとつはそこまで大きな額ではないのですが、チリもつもれば…というもので、誰も住んでいない、だけなのにここまでかかってしまうと正直驚きですよね。